夜灯 小説 Novel
その声が呼んでいる

BLメイン、ダークファンタジー・シリアス・R18作品があります。

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「ほおつきよ」本編後。真昼が発作を起こしたときの話。R18匂わせあり。

その声が呼んでいる

 朝、諸々の事情で出勤が遅くなってしまった。夜一さんは「休んどきな」と言うけれど、いや、そもそも夜一さんが悪いし、欠勤の理由と彼がご機嫌な訳を同僚から想像されるのは、恥ずかしくて耐えられない。

 だから、急いで事務所に向かったのだが。

「あっれ〜、ひま、具合よくなったの?」

 家を勢いよく飛び出してここまで行き着く暇がなく、やっと呼吸ができる、そう思った瞬間だった。自分の頭のなかで、無数の爆音が鳴り始める。

 脳内で大げさに拍を打つみたいな音たちにたくさん襲われて、自分の心音が分からなくなった。息ができない。動けない。なにもわからない。ただ、苦しさだけが募っていく。

「真昼。俺の声、聞いて」

 風が入り乱れる歩道橋の下、その音だけが強風に負けず、偶然にも僕に辿りついて、僕の意識を捕まえた。

「真昼。俺の声を聞いて」

 繰り返し僕を呼ぶ音が、僕を騒音の暗闇から引き上げる。

「真昼、聞こえたね。もう大丈夫」

 騒々しい闇に引きずり込まれて窒息しがちな僕は、彼の声で息を吹き返すのだった。


ほおつきよ  本編その後ss「その声が呼んでいる」

著者:内山 優
公開日:2022年2月5日

この物語はフィクションです。
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